Basic of Surface

表面とは?

一言で表面と言っても、我々は身の回りを見渡しただけでも様々な表面が存在する事が分かります。表面をもう少しきちんと定義すると、物質が外界に曝されている場所と言えます。水が外界に曝される場所が水面であり、人間の表面は皮膚となります。透明や半透明でない物の場合、私たちが目で見ているものはその物の表面です。見える色は表面の色です。また、かたちのある物の場合。私たちが触っているのはやはり表面です。このように考えると表面が如何に身近で重要な物かが分かっていただけると思います。

表面(surface)は物質が外界に曝されているところ、すなわち物質と外界の界面と考えることが出来ます。界面、インターフェースです。表面とは、主に固体が気体と接する界面の事を指します。固体の表面を液体にさらした場合は、そこは液体と固体の界面と呼ばれます。また、異なる二つの固体が接する場所は界面と呼びます。本研究室で研究対象としているのは、固体と真空(気体)の界面である固体表面と、固体と固体の界面です。

表面の性質

固体の表面は他の物質と直接接触する場所であり、化学的に重要な場所です。例えば、金属は錆びつきますが、これは外界の酸素が表面の金属原子と化学反応を起こして酸化するためです。このように外界からやってくる物質との反応は必ず表面から始まります。また、食塩水をゆっくり蒸発させると塩の結晶が成長しますが、この結晶は、どの部分が成長していくのでしょうか?やはり、結晶の表面で成長が起こります。結晶の表面、正しくは食塩水と結晶の界面に、NaとClが積み重なって少しずつ成長します。時間をかけて成長した鍾乳石等を輪切りにすると年輪が見えますが、それも表面で成長が起こっているために現れるのです。真空中で気体や物質の蒸気を表面に当てて結晶を成長させるやりかたは、人工結晶を成長させる一般的な手法になっています。これに関しては後ほど別のページで詳しく述べたいと思います。

固体表面の化学的に活性な性質は、既に私たちの生活に役立てられています。例えば、排気ガス等の分解に使用されている固体触媒反応です。排気ガスの場合は白金触媒が使われていますが、白金の表面が触媒として排気ガスの有害分子を分解し易くしているのです。もう一つは、活性炭の様な表面吸着剤です。重量あたりの表面積が大きい活性炭では、様々な匂い分子をその表面に吸着することができます。

表面の厚さ

では表面の厚さはどのぐらいでしょう?鉄の錆た部分を表面と考えると厚い物ではmmから薄い物では1μmぐらいでしょうか。ただし、最初は表面の一番外側の原子に酸素がくっついて、そこから内部へじわじわと酸化して行ったと考えられますので、反応に関係する表面はもっと薄いと考えられます。触媒ではどうでしょうか?触媒では、表面の上に分子がくっつくことで触媒作用が働きます。くっついているのは一番外側の原子です。活性炭では、場合によっては活性炭に無数に開いた空間に閉込められる場合もありますが、表面にむき出しになった炭素原子に匂い分子などが吸着します。これも一番外側の原子が重要です。実は、表面において化学的な反応に重要なのは部分は、ほんの数原子層です。厚さにするとせいぜい数ナノメートル程度の薄い領域です。当研究室では、このような薄い領域を研究対象としています。

結晶の表面

どんな物でもたいてい表面がありますし、同じ物質でも切り方や状態によって様々な表面が現れます。じゃあどんな表面を研究したら良いでしょうか。わたしたちは、物理的・化学的性質が良く分かっている結晶の表面を調べる事が、表面の基本的な性質を理解する近道であると考えています。結晶には、鉄のように金属であるもの、塩のように電気を通さないもの、シリコンのように半導体であるもの等々ありますが、いずれも原子が規則的に並んだ物です。次の図は、原子が規則的に並んでいる結晶の表面を模式的に描いた拡大図です。

結晶表面での原子の配列の様子

つぶつぶが原子で、結晶は原子の並んだ平面(板)が積み重なった物と考えることが出来ます。原子はつぶつぶなので、表面は滑らかではなく、時々原子一個または数個分の段差(ステップ)が存在します。板状に平らになった場所はテラスと呼びます。テラスの上にもところどころ穴(空孔)や原子の島があり、それほど平坦ではありません。もちろんこの図は非常に単純な例であり、結晶の種類や結晶をどの向きで切るかによっても異なった表面が生じます。非常に単純なはずの結晶の表面でも相当複雑です。調べなければ行けない事はたくさんあるのです。

 

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