単結晶を仮想的にスパッと切ったとき現れる表面を理想表面と言います。仮想的にというのは、実際に切ってしまうと切る前と原子の位置がずれてしまうので、原子の位置を動かさずに切ったとしましょうという事です。金属等の単純な結晶構造として面心立方格子構造(fcc)と体心立方格子(bcc)があります。金や銅はfccで、鉄は通常はbccです。以下の図はbccとfccそれぞれの結晶を代表的な方位で切ったときに得られる理想表面のモデル図です。
金属の場合は、理想表面とほぼ同じ構造が実際の表面でも見られます。次の図は、fcc構造をとる金の微粒子のモデル図です。
図に示すように特定の種類の面で囲まれている事が分かっています。これは、方位によって安定な面、不安定な面が存在するためです。微粒子はなるべく安定な面で囲まれるようになるのです。