シーベルト(Sv)とシーベルト毎時(Sv/h)について

放射線の人体への影響を考える時は、放射線の量をSv(シーベルト)という単位で表します。シーベルト(Sv)は重量当たりの放射線の吸収エネルギー量を元にした単位であり、人体への影響の度合いが加味されたものです。様々な放射線がありますが、浴びた量をこの単位で表すと、放射線の種類によらず同じ単位で人体への影響を考えることが出来ます。一般的には、Svの1/1000の単位mSv(ミリシーベルト)や、さらにmSvの1/1000のμSv(マイクロシーベルト)が使われています。また、放射線の強度として時間当たりの放射線の量であるmSv/hやμSv/hもよく使われます。たとえば100μSv/hとは、その強度の放射線を1時間浴び続けたら、100μSvの放射線を浴びる事を示しています。(3/28 重量当たりの単位である事等を追記)

報道に見受けられる間違い!!
「レントゲン1枚の被曝量が約500μSvである。したがって、○○市で観測された10μSv/hという値は、レントゲンの1/50である。」
この間違いわかるでしょうか?これは、時速と距離の関係で考えると間違っている事がよくわかります。上の文は
「東京までの距離は500kmである。したがって、速度10km/hという値は、東京までの距離の1/50である。」
と言っている事と同じです。これなら間違いがわかりますよね。時間の長さを考えなければなりません。10μSv/hの場所に50時間居ればレントゲン1枚分被曝します。

mSv(ミリシーベルト)とmSv/h(ミリシーベルト毎時)の違いには注意しましょう。

「シーベルト(Sv)とシーベルト毎時(Sv/h)について」への3件のフィードバック

  1. 北陸先端大の研究員をやっている池田と申します。
    すごくわかりやすいご説明で、ニュースで出ている数値がどういう意味を持つ値なのかがわかりました。どうもありがとうございます!
    現時点でのその場における放射能はシーベルト毎時(Sv/h)という単位で表されるということが、一般の方になるべく広く伝えたいと感じました。
    できましたら、私のブログで転載したく思っているのですがご許可いただけますでしょうか?
    虻川研究室の先生及び研究室の皆様のお返事お待ちしております。

  2. 池田様ご連絡ありがとうございます。何処にも書いてありませんが、基本的にリンクフリーです。転載もかまいません。ただし、他のサイト等を引用した物については元が分かるようにお願いします。

    間違った事、おかしな事を書いているかもしれません。もし、お気づきの点などありましたらご指摘くださると助かります。

    虻川匡司

  3. 虻川匡司先生
    震災で大変な時期にお返事いただけてとても嬉しく思っております。
    ご許可いただきどうもありがとうございます。
    引用文と引用先を掲載させていただきたく思います。
    またこちらの投稿をちょくちょく拝見させていただきたく思います。
    気になること等またご連絡することもあると思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。

    池田愛

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