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光電子顕微鏡での実験風景です。オペレーションしているのはM2の遊佐君です。2次元原子層物質である六方晶窒化ホウ素や、グラフェンの成長を研究しています。よく磨いたNi箔の裏側に、窒化ホウ素粉や炭素粉を塗布して、超高真空下の顕微鏡試料室で加熱すると、表面に単原子層の六方晶窒化ホウ素やグラフェンが成長します。塗布する量や加熱・冷却条件をコントロールすることで、結晶のサイズをコントロールし、さらに六方晶窒化ホウ素とグラフェンが重なったヘテロ構造の作成を目指しています。
新学期のスタートと共に中庭のさくらが満開になりました。ただし残念なことに、新型コロナウイルス感染拡大防止のための東北大学の行動指針(BCP)が本日からレベル3に上げられました。授業や研究活動に一層の制限がかけられますが、本研究室もそれに従って進めたいと思います。
続きを読む 新学期開始とBCPレベル3本日、1月5日17:00から、分光物理学講座の研究室ガイダンスを以下の様に行います。ガイダンス後に各研究室の見学会も行いますので是非ご参加下さい。なお、建物の正面玄関は施錠されておりますので中庭側の入口におまわりください。
分光物理学講座 研究室ガイダンス
1月5日(火)17:00〜18:00
場所:多元物質科学研究所 西1号館2階セミナー室(220号室)
また、オンライン参加を希望の方がおりましたら15:00までに虻川のメール[abukawa(a)tohoku.ac.jp]にご連絡ください。追って接続方法などをご連絡いたします。((a)を@に変えて送信ください。)
厚さが原子1層しかない炭素の網であるグラフェンは、酸素を通さないとされていました。しかし、高速の酸素分子を照射すると酸素分子がグラフェンを壊すことなく透過する現象を発見しました。分子の「速度」によってグラフェンを透過できたりできなかったりする現象は世界で初めての発見で、今後の研究により、さらに大きな分子の「通りぬけ」の発見も期待されます。グラフェンを通りぬける高速の酸素分子は私たちの身の回りにも存在しており、通りぬけを防ぐことで食品の劣化や金属のサビを防ぐ保護膜の開発につながります。
本成果は東北大学国際放射光イノベーション・スマート研究センター(兼多元物質科学研究所)の小川修一助教らの研究グループと産業技術総合研究所、日本原子力研究開発機構、ロスアラモス国立研究所(米国)との共同研究で行われ、10月26日に「The Journal of Physical Chemistry Letters」にオンライン掲載され、11月5日に発行される同雑誌のカバーアートにも採択されます。
また本成果は東北大からプレスリリースされました。
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2020/10/press20201026-01-graphene.html