Macを使い始めて20年近く経ちますが、初期のころの実験結果のまとめや発表資料はCANVASというお絵描きソフトを使っておりました。身体がCANVASになじんでしまっているのでなかなか手離せないのですが、実はMac版の開発は数年前に終了し、現在はWindows版のみしか販売・サポートされていません。
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さくらホールでの勉強会
当研究室がある東北大学の片平キャンパスにはさくらホールという会議施設があります。今日はそこで
「いま、エネルギーを勉強する」
~在来型エネルギー、非在来型エネルギー、新エネルギーを勉強する~
という石油学会東北支部主催の研修会がありました。
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表面界面工学レポート
7セメスタの表面・界面工学ですが、昨日(28日)、1回目のレーポート課題を配布しました。
提出〆切は7月12日の授業開始前になります。
計数の精度を上げる
計数値はばらつく
ガイガーカウンターなどの放射線量計は、γ線(光子)やβ線(電子)の数を一個一個数えます。この事を計数と言います。単位時間あたりの計数値(計数率)から放射線の強さが分かります。光子や電子は確率に従って飛び出すのですが、いつ飛び出すのかは決まっていないため、あまり短い時間だと正しい計数率が求められません。例えば、ガイガーカウンターなどでは、ピピッという音が1分間に100回鳴った場合に計数率100 cpm (counts/min)ということになりますが、最初の1分が100回であっても、次の1分は必ずしも100回にはなりません。これについて当研究室で行っている電子分光の例を挙げながら説明したいと思います。
飛び出す電子を数えて元素を特定する
当研究室では、表面を汚染した微量な元素を特定するために、オージェ電子分光法やX線光電子分光法を使用しています。オージェ電子分光法では電子を表面に入射して、X線光電子分光法ではX線を入射して、表面や不純物の元素から放出される電子の運動エネルギーと数を計測します。元素によって飛び出してくる電子のエネルギーが異なるので、ある元素特有のエネルギーを持った電子が観測されれば、その原子が表面に存在する事が分かります。オージェ電子分光法も光電子分光法も1原子層の1/100程度の量の元素を分析することが出来る大変感度の高い手法です。
オージェ電子分光の例
下のFig.1からFig.4は、ある結晶表面に水分子が数原子層程度吸着した同じ表面からのオージェ電子分光スペクトルです。横軸を電子のエネルギーにとり、縦軸(左側)を電子の計数率(カウント毎秒)にとり、各エネルギーごとの電子の計数率を赤い点で示したものです。Fig.1から4は、測定した時間の長さだけが異なっており、それぞれ0.02秒、0.2秒、2秒、10秒です。水分子の酸素からのオージェ電子は、エネルギー値500 eV付近にあるはずですが、Fig.1では計数率が上下にばらついていて全く観測できません。これは、各測定点の測定時間が0.02秒と非常に短いためで、実際の計数値(カウント)が10から20程度と小さいためです。計数値はそれぞれのグラフの右側の縦軸に示してあります。
飯舘村調査報告会(負げねど飯舘)
6月4日に行われた飯舘村放射能汚染調査報告会での、京都大学原子炉実験所助教・飯舘村周辺放射能汚染調査チーム代表の今中哲二さんによる講演内容が「負げねど飯舘」のブログに掲載されています。
汚染の状況、放射線の健康への影響、放射線とどう向き合うかについて分かりやすい内容です。
「一体我々はどこまで受け入れていいのかというのは、科学の問題じゃなくて、あくまで社会がここまで受け入れようという判断だと思うから。」
「だからやっぱり一律にどうこうしなさいというのではなくて、それぞれの判断で住み続けることが許容されて、それなりに自治体として共同体としてそれなりのサービスが受けられるべきだと私は思います。」
私もそう思います。科学的には、煙草のリスクより低いレベルとか、他の有害物質よりも影響ないレベルという基準を提示できますが、何処まで受け入れるかは社会の判断、それぞれの判断です。