モデルによる積分線量の予測(北脇さん改良版)

北脇さんの新しい数理モデルによる結果

以前に紹介した岡山大学大学院保健学研究科の北脇知己さんが、さらに精度の高い数理モデル計算結果を報告しております。以前のものに比べて、半減期の長いCsなどによる放射線を考慮しているため、長期的に浴びる線量がより精度良く求められていると考えます。

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ドイツ気象庁の拡散シミュレーション

放射能関係は専門家の方にお任せして手を引こうと思っているのですが、ドイツ気象庁の拡散シミュレーションに関して誤った解釈が広がっているようなので状況を説明したいと思います。詳しくはドイツ気象庁の拡散シミュレーションの日本語訳をご覧下さい.

このシミュレーションを見ると、あたかも4月4日から7日にかけて濃度の高い放射性物質が九州を含む西日本に広がったかのよう思えます。しかし、このシミュレーションは、もし原発から濃い濃度の放射性物質が放出されたら、という仮定に基づく拡散のシミュレーションです。実際に濃い濃度の放射性物質が出ていたのであれば問題ですが、周辺の線量値から原発からは当時も現在も大気中には殆ど放出されていないと考えられています。濃い色のところでも気にするほどの濃度では無いという事です。ざっくり言ってしまうと、このシミュレーションは福島県にあった空気が風によってどこに行ったのかを示しているだけです(粒子の降下率を無視した場合です)。

このシミュレーションは遠く離れた九州にも放射性物質が飛んで来る可能性を示していますが、実際に放射性物質が大量に飛んで行った事を示しているのではありません。一方で役に立つ情報もあります。原発から放出された放射性物質が、風に運ばれてどのぐらいの時間をかけて西日本や九州に飛来するのかが分かります。万が一、原発になにか起こったときの避難までの時間の猶予を知る事ができます。

芝生のように

年度が変わり、仙台市の中心部はライフラインもほぼ復旧し、経済活動も以前の状態に戻りつつあります。10kmほど西の沿岸部が未だがれきの山であることを考えると、強烈なコントラストです。砂地に芝生を植えた時、はじめはくっきりとした境目が見えます。芝生は少しずつ成長し、やがて境目は見えなくなっていきます。芝生の中で頑張る人、砂地で頑張る人、お疲れさまです。

Exploring Surface Structures